2025.5.30

ホテルの第一印象は清掃で決まる:無言の接客が評価を左右する

ホテルや宿泊施設において、滞在時の快適さや満足度に影響を与える要素はさまざまありますが、その中でも「清掃の品質」は非常に大きな役割を担っています。

特に客室に入った瞬間に感じる“清潔感”は、内装やアメニティと同様に、施設全体の印象や評価に直結する傾向があります。どれだけ設備が整っていても、わずかなホコリや髪の毛の落下、水回りの水垢などがあるだけで、「不快」「残念」といった印象に変わってしまうことも少なくありません。

今回の記事では、ホテルや宿泊施設における清掃の重要性に着目し、見落とされがちなポイントや委託運用時の注意点についてご紹介します。


■現場で起こりやすい清掃の“見逃し”

清掃作業は日々丁寧に行われていても、実際にはお客様が気づきやすいポイントがいくつかあります。

たとえば、以下のような箇所は「見えにくいが目につきやすい」清掃ポイントです:

  • ・エアコンの吹き出し口に付着したホコリ

  • ・ベッド下に残ったゴミや異物

  • ・鏡にうっすらと残る指紋や水滴

こうした箇所は、時間に追われる清掃現場では「対応したつもり」で終わってしまうケースも見受けられます。結果として、お客様からの印象が損なわれる可能性があるため、チェック体制の強化や清掃スタッフへの継続的な教育が重要となります。


■委託清掃における品質管理のポイント

ホテル業界では、近年、客室清掃を専門業者に委託するケースが増えています。人員の安定確保や教育・研修の効率化といった点で、有効な手段といえます。

ただし、業務委託によって清掃品質の管理が曖昧になり、「現場に任せきり」になると、品質のばらつきが生じやすくなる点には注意が必要です。清掃スタッフにもホテルの一員としての意識を持っていただくためには、以下のような取り組みが有効です:

  • 🔹清掃マニュアルや施設方針の共有

  • 🔹定期的な情報交換やフィードバックの場の設置

  • 🔹報告体制や点検制度の整備

委託先の選定においても、価格だけでなく、教育制度や現場対応力などの運用面を確認することが、信頼性の確保につながります。


■ホテル側の関与が品質を左右する

清掃業務が委託であっても内製であっても、最終的な品質はホテル側の姿勢や関与の深さによって大きく変わります。

たとえば、宿泊者の視点に立った定期的な現場確認や、清掃スタッフへの感謝の言葉の共有、社内での好事例の紹介といった日々の取り組みが、現場の意識向上につながります。スタッフ一人ひとりのモチベーションが高まることで、結果的に清掃の質も安定し、顧客満足度の向上へとつながります。


■まとめ

清掃は、お客様と直接対話することのない“無言の接客”とも言われます。
目立たない部分にも配慮の行き届いた清掃は、宿泊体験の快適さを支え、施設への信頼感にもつながる大切な要素です。

清掃を「作業」としてではなく、「空間づくり」として捉え直すことが、これからのホテル運営に求められている視点のひとつではないでしょうか。


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