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TATの平準化と短縮:
高い客室回転率に対応するため、清掃完了時間(TAT)のバラつきを徹底的に排除し、迅速な客室販売を可能にすることが最優先されます。 -
衛生基準の遵守:
水回りやベッド周りなど、直接清潔感に繋がる箇所のSOP遵守を重視します。 -
「見えないコスト」の排除:
忘れ物・備品ミスなど、清掃員の判断ミスによるフロントの対応工数を減らすための、仕組みとSOPを重視します。
「清掃品質」と一口に言っても、宿泊特化型のビジネスホテルと、宴会・MICE需要を持つシティホテルでは、求められる品質のゴールが全く異なります。
ビジネスホテルは「スピードと安定性」が重要ですが、シティホテルは「非日常的な体験と五感に訴える美しさ」が求められます。
今回の記事では、ホテルセグメントごとに異なる清掃基準の違いと、アウトソーシングでその品質を担保するために必要なポイントを解説します。
1. 宿泊特化型ホテルが重視する3つの基準
TATの短縮と品質の平準化が至上命題です。
共用部はシンプルで、日常清掃が中心となります。
2. シティ・アッパーミッドホテルが重視する3つの基準
ブランド価値と非日常的な体験の提供がゴールです。
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五感に訴える美しさ:
ロビーの床の光沢、美術品や調度品の丁寧な清掃、異臭の徹底排除(タバコ、カビなど)など、ゲストが最初に感じる印象を重視します。清掃後の香りやライティングのチェックまでSOPに組み込みます。 -
共用部・動線の複雑なSOP:
宴会場、スパ、MICEスペースなど、多岐にわたる施設の特殊清掃と、イベント後の迅速なリセット能力が求められます。エレベーターホール、VIP動線など、エリアごとのSOPの複雑性が増します。 -
VIP対応の特殊清掃:
スイートやコネクティングルームなど、特殊な客室タイプに合わせた、より緻密で上質な清掃スキルと、ゲストプライバシーへの配慮が不可欠です。
3. アウトソーシングで「セグメント別品質」を担保する方法
委託業者選定時に、以下の点を徹底的に確認しましょう。
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セグメント一致の実績:
業者が「自社と同セグメント(例:シティホテル、ラグジュアリー)」の清掃実績を豊富に持っているかを最優先で確認します。ビジネスホテルの実績しかなくても、シティホテルの複雑な要求に対応できるかは別問題です。 -
共用部・特殊清掃の専門性:
客室清掃の単価だけでなく、シャンデリアや大理石床の特殊清掃、宴会後の迅速な客室リセットなど、付帯業務のSOPと専門性を細かくチェックします。 -
契約への詳細な盛り込み:
契約書に「共用部清掃のチェックリスト」や「宴会利用後のリセット時間」を盛り込むことで、シティホテルの複雑な要求に対応できる体制を担保します。
まとめ:ホテルのブランド価値は清掃基準で決まる
清掃基準を自社のブランド価値と顧客体験に合わせ、その専門性を持った業者を見極め、契約を通じて品質を担保することが、ホテル運営の成功に不可欠です。
自社のセグメントに応じたSOPを明確にし、業者との連携を深めましょう。