ホテル清掃の業務をアウトソーシングした後、
「クレームが増えているが、どこに問題があるのか掴めない」「現場の品質が属人化していて安定しない」
といった悩みは、多くのホテルで共通しています。
特に大阪のように競争が激しく、回転率が高い都市では、現場スタッフの“感覚”や“勘”だけに依存した管理方法では品質を維持できません。
そこで重要となるのが、 清掃品質を数値化し、透明性のあるデータで管理する仕組み です。
今回の記事では、ホテル運営の現場が抱えやすい課題を解消し、クレームを大幅に削減するための「品質データの可視化」と「改善サイクル構築」の実践方法を紹介します。
■ 清掃品質を“見える化”するための3つのキー指標
清掃品質は曖昧なものではなく、数字で追跡できる明確なデータです。
特に次の3つを定期的に収集することで、アウトソーシング業者との共通の基準が生まれます。
①クレーム/レビューデータ
最も直接的に品質を反映する指標です。
🔹清掃起因クレームの件数・内容(例:髪の毛、埃、アメニティ補充漏れ)
🔹発生場所の傾向
🔹OTAレビューの「清潔感」スコア推移
これらを一つにまとめることで、改善すべき領域がすぐに分かります。
② 納品時チェックデータ(仕上がり品質)
清掃が完了した直後のクオリティを測るデータです。
🔹 HK責任者・SVの抜打点検によるチェック達成率
🔹 再清掃指示率(清掃完了後に差し戻した頻度)
再清掃の発生は、清掃手順の不備やスタッフ教育不足を示す重要なシグナルです。
③ 業務プロセスデータ(生産性・安定性)
効率性や現場の安定性を把握する指標です。
🔹客室タイプ別の平均TAT(清掃完了時間)
🔹KPI基準との差異
🔹忘れ物発見から報告までの時間(遅延率)
特に大阪のように稼働率が高いエリアでは、このカテゴリのデータが運営の安定性に直結します。
■ データを改善につなげる「PDCAサイクル」の実践方法
品質データをただ蓄積するだけでは意味がありません。
重要なのは、委託業者とホテルが協働してPDCA(計画→実行→評価→改善)を回すことです。
● Plan(計画)— データに基づく課題の特定
例: 「鏡の拭きムラに関するクレームが全体の40%を占める」
→ “鏡の仕上げ工程”を重点改善項目として設定
→ 「翌月までに同クレームを20%に減らす」など具体的な目標設定を行う
● Do(実行)— SOP修正と現場研修
課題に応じて清掃SOPを見直し、具体的な作業内容として落とし込む。
▷ 例: 「鏡の拭き上げには必ずマイクロファイバークロスを使用」 「手順書に写真付きで方法を明記」
そのうえで、スタッフに対し再研修やOJTを実施し、現場での実行度を高める。
● Check/Action(評価・改善)— 効果検証とノウハウ化
改善後のクレーム件数や点検データを再度収集し、効果を検証します。
達成できた項目はSOPに正式に反映、うまくいかなかった項目は原因分析して再改善など
このような循環が定着すると、清掃品質は確実に向上します。
■ まとめ:データを共通言語に、委託業者との“共創”へ
アウトソーシング後の清掃品質管理は「監視」ではありません。
ホテル側と業者側が同じデータを見ながら、より良い品質を共につくり上げる“共創プロセス”です。
これらを実現するための基盤が、「品質データの可視化」と「PDCAサイクル」です。
データで品質を捉えられるようになると、クレームは大幅に減り、ゲスト満足度とブランド価値は確実に向上します。